ガーゴイル


概要

ガーゴイルゲッコー・ノーマルから変化したRep-ExAltsの一種。石像を思わせる灰褐色の体と大きな翼、岩を削り出したような角を持ち、翼の縁や尾には翡翠色の結晶が突き出している。ふっくらとした胴体に反して動きは静か。体長はAltsの頃から変化していないが、角や翼でより大きく見える。

最も特徴的なのは、大量の雨水を保水して攻撃時に極細の高圧水流として放つ能力である。発射される高圧水弾は獲物を狙撃して捕食したり、自身の脅威を排除するために利用している。自ら人間に近づくことはほとんどない一方で、攻撃を受けると人間を警戒・敵視して射撃してくるようになる。

晴れの時や昼間は森の奥で全く動かずに岩石に擬態している。雨の夜になると動き出して、民家の屋根や塀で吸水して周囲の獲物を探す。自身の体躯よりも大きな小動物もその対象で、かつての天敵を獲物として積極的に攻撃するようになった。

体表は素焼きに似た質感になっており、雨水を全身からじんわりと体内へ取り込める。乾いたときはくすんで見える体も、雨を含むと色味が深まり、結晶の青緑がひときわ輝く。

生息場所

人里から離れた森林の奥深くを主な住みかとし、苔むした岩場や古木の幹、崖のくぼみなどに身を潜める。灰褐色の皮膚は乾いた石や樹皮に紛れやすく、角や翼を畳んで動きを止めると、近くを通っても生物とは気づきにくい。落ち葉や落ち枝、小石に苔といった自然物がカモフラージュになるほか、体長はAltsの頃のままなのでより発見されにくくなった。Altsの頃より擬態性能が上がっている。

晴天の日は湿気の残る日陰からほとんど離れず、活動の痕跡も残さない。しかし雨が降り始めると森の外縁へ移動し、ときには集落の屋根先や石塀、雨樋の近くに現れる。

好むのは雨を直接浴びられ、なおかつ地上の様子を見渡せる場所。すなわち屋根の先や雨樋。屋根の材質よりも雨の流れ方や周囲の見通しを重視するらしく、古い瓦屋根にも新しい家屋にも姿を現す。特にネズミなどの小動物が集まりやすい納屋や物置の周囲で目撃されることがある。人家に住みつくわけではなく、雨が上がれば再び森へ戻っていく。

希少性

本種はRep-ExAltsの中でも確認例が少なく、個体数の推定が難しい。そもそも人目につく機会が雨の夜に偏っており、晴れた昼間は森林の奥で石のように動かないため、継続的な調査がほとんど進んでいない。

屋根の上で発見されても、装飾品や濡れた岩の見間違いとして片づけられることが多い。さらに、一度人間の気配を察すると同じ場所へ続けて現れなくなる傾向があり、目撃地点を張り込んでも再確認できるとは限らない。複数の集落で似た報告があっても、別個体なのか同一個体が移動したのか、判別は困難である。

とにかく擬態性能が高すぎて発見できないことが調査を妨げており、正確な生息数はいまだ不明とされる。ガーゴイルゲッコーのAlts自体は少なくないものの、この中の何%がガーゴイルになるのかはわかっていない。

特殊能力

最大の武器である高圧水弾は、青白いレーザーのような見た目で口から1発ずつ発射される。主に屋根や地面を走る小型の小動物を仕留めるために使われ、むやみに乱射したりはせずに標的の急所を正確に狙い、着弾点へ強い衝撃を集中させる。自身の体内に溜めた水がそのまま弾数に直結するため、このような無駄な消費を抑えるような立ち回りをしていると思われる。

体表の性質は素焼きの器によく似ている。皮膚の表面には肉眼では見えない微細な隙間が無数にあり、雨に打たれると水をゆっくり吸収して体内に蓄える。水を含んだ部分は乾燥時よりわずかに暗くなり、翼の縁や尾にある青緑色の結晶は透明感を増す。吸収された水は体表の奥にある貯水組織へ移されるため、表面を拭いただけでは乾かない。大きな翼は雨を受け止めて体へ導く役割も持ち、伏せた姿勢のまま翼を広げれば、効率よく水を取り込める。

獲物を十分食べると攻撃しなくなる。狙撃が上手な個体は貯水の消費が抑えられるので、栄養も水分も豊富に蓄えてより健康的になるのだろうか。このほぼ石像みたいなものに健康とかあるのかわからないが。

Altsからの変化

Rep-Altsの頃に見られた樹上生活向きの体つきは、ExAltsへ変化することで石像じみた重厚な姿へと変わる。頭部には太く角張った一対の角が伸び、背には大きな翼、長い尾には岩片と青緑色の結晶が生じる。体表は素焼きのようにざらついた質感を帯びる一方、元のガーゴイルゲッコーを思わせる斑模様は各所に残る。雨を吸うと皮膚が暗く変化し、結晶が浮かび上がって見える点も、通常のAltsにはない特徴である。

性格は一段と慎重で寡黙になり、周囲の様子を長時間観察してから行動するようになる。好奇心が消えたわけではないが、気になる物へすぐ近づくことは少なく、まず長い時間見つめている。以前のように身軽に枝を渡るよりも、高所で身を低くして待ち伏せることを好む。獲物を追い回す頻度も減り、確実に狙える瞬間だけ動く傾向が強い。ただし、身近な環境への執着は増しており、一度危険な経験をした場所や相手を長く覚えているらしい。

活動

雨が降る夜に活動する。雨が降っている間に屋根で動かずにじっと吸水し、雨が上がると獲物を上空から探す。吸水している時も周囲の観察は怠らず、もしこんな時にちょっかいを出したら後で反撃されることとなる。屋根にいるガーゴイルを見つけて石をぶつけたら、近くまで飛んできて眼球を狙撃され失明した人がいるらしい。

晴れている時は森の奥の岩陰や古木に伏せ、角と翼を体に寄せたまま石像のように休んでいる。

行動

雨の夜には屋根の端へ腹を近づけ、四肢でしっかりしがみついたまま長時間動かなくなる。頭を低く突き出し、翼を左右へ大きく開いた姿勢は、雨を受けると同時に地上の獲物を狙うためのものと考えられる。

雨が強まっても背中を丸めて耐え、体表の色が変わるまでじっと待つ。水を十分に吸い終って頭を持ち上げた時が狩りを始める合図。高所での静止や擬態は非常に得意で、濡れた瓦や岩の上でも爪や尻尾の結晶を引っ掛けて安定した姿勢を保てる。

飛行と狙撃に特化したため、逆にガーゴイルゲッコーの頃は得意だった樹木の登り降りは苦手になった。陸上を歩くのは更に苦手になった。翼を獲得したことで上下移動に壁や樹木が不要になったので、別に困ることはないかもしれないが。

また、体表をむやみに触られることと、先の読めない行動をする相手や数の暴力で圧倒するような戦い方をする相手との戦闘を非常に嫌う。高い攻撃性能に対して防御面は意外と脆く、持久戦は不得手なのかもしれない。

食性

主食は森の外縁や民家の周辺にいるネズミなどの小動物を食べる。高所から物音や動きを捉え、十分に近づいた瞬間を狙って細い水流を放つ。仕留めた獲物は地面へ降りて素早く完食し、次の獲物を探しに行く。

昆虫などを口にすることもあるが、水を大量に消費する狩りはむやみに行わない。雨の少ない時期は食事の回数も減り、蓄えた水と体力を温存するように静かに過ごす。

人間の食べ物を食べた事例はないが、狩猟を得意とする性質から動かない人間の食べ物より動く小動物を好むとされる。回転寿司や流しそうめんにはどう反応するのだろうか。

関係性

Altsに対しては比較的寛容で、縄張りの内側に入ってきてもすぐには追い払わない。相手が騒がしくてもすぐ怒ることはないが、翼や結晶に触れられると無言で体を引く。特に雨宿りを探す小柄なAltsを見つけると、自分の翼の陰や雨の当たりにくい場所へ通すことがある。

一方で人間に対しては強い警戒心を持ち、姿を見られそうになると擬態するかその場から静かに離れる。人家の害獣を捕らえることはあっても、人間を助けようという意識があるかは分かっていない。

石像だと思って叩く、捕獲を試みるなどの攻撃を受けると態度は一変する。一度人間を危険な相手と認識した個体は、その後も接近する人を威嚇したり襲ったりするようになり、被害が周囲へ広がる場合がある。反撃はその場限りの防衛では終わらず、同じ家屋へ近寄る人にも警戒が向くことがある。